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新刊『抄訳 渋沢栄一「至誠と努力」』

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2/5(金)、ひさびさに新刊が出ます。『抄訳 渋沢栄一「至誠と努力」』(実業之日本社)です。大正時代に出た渋沢の講演録を名言集ふうに抜粋の上、現代風に読みやすくしています。

数年前に現代語訳した『論語と算盤』(致知出版社)に続く渋沢栄一の本です。当初、担当編集者から700頁超の原著PDFを受け取って「(大河ドラマに合わせて)12月中に発売したい」と言われたときは「無理だろうな」と思いました。なんせ長い。それに渋沢が日本中で行った講演を集めたものなので、ものすごく総花的。そのまま現代語訳したら1000頁とかになっちゃうし、誰に読ませたいのか、ターゲットも定まらない。しかし、それでも「大丈夫ですよ!」と即答するのがライターというもの。

まず、12章ある原著を通読し内容メモを作りました。『論語と算盤』との重複はもちろん、同じ話が何度も出てくるので(講演録だから当然ですが)、ものすごく冗長に感じる。一方、若者に向けたメッセージや仕事に取り組む心得、そして慈善活動や教育論といった話は、本書で初めて読んだので新鮮でした。おもしろい。が、このままでは絶対に商品にならない。

「若者に檄を飛ばす」みたいな感じでまとめましょう、と言ったのが昨年の秋頃のこと。個人的にいちばんグッときた「若者はもっと元気を出せ!」「信念を持ってドーンと行け!」みたいなくだりから優先的に訳していきました。しかしそれでも長い、脱線が多すぎる。いちいち「中略」とか入れたりしたら注釈だらけになってしまう。 どうしよう、まだ方針も定まらないのに12月発売なんて絶対に間に合わんぞ……。

うーん……、ところで今『 麒麟が来る 』ってどこまで進んでるんでしたっけ? ああ、まだそんな話? ひょっとして12月に終わらなかったりして、ははは……。えっ、原稿ですか? 順調ですよォ、順調、順調、順調。

そして、ついに「次の大河ドラマは2月スタート」の一報が流れます。

天は我に味方せり!

2カ月の時間を得たことで、わが軍の士気は一気に高まりました。

よし、もうアレでいきましょう。抄訳スタイルで名言録にしちゃいます。え、構成やテーマ? 任せてください。大丈夫、大丈夫。あっ、カバーは肖像写真とかじゃなくて、若い人が手に取るカジュアルな感じがいいっすね!

というわけで、本書は、じっくりとテキストを練ったうえに構成を工夫を凝らすことができました。4回も校正したので、細部まで神経の行き届いた作品となっています。ただ時流に乗っただけの企画ではなく、編集者も私以上の渋沢ファンですから、おかげで熱のこもった本になりました。

というわけで、自信作の『抄訳 渋沢栄一「至誠と努力」』(実業之日本社)。ぜひとも手にとって御覧くださいませ。

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